巻き爪の爪はなぜ硬くて分厚いのか
今や珍しい病気ではなくなってきつつある巻き爪。
老若男女問わず、日々巻き爪に悩まされている方は大変多くいらっしゃいます。
これらの方の爪の質に共通して言えるのが、爪が硬くて分厚いということです。
爪が薄くて悩む方はいらっしゃいますが、爪が薄くて巻き爪だという方はほとんどいないと言っても過言ではありません。
爪が薄い場合は足の着地からの圧力の方が強く、巻き爪になる可能性が低くなるからです。
ではなぜ、巻き爪の爪は硬く分厚くなってしまうのでしょうか。
爪は角質層で出来ている
爪は呼吸をしているからマニュキアは良くないと言われていた時代もありました。
最近ではマニュキアが良くないのではなく、落とす際の除光液の成分が爪を極度の乾燥状態にさせることや、塗る前に爪の表面を削り過ぎることが良くないのだという考え方に変化しつつあります。
ジェルネイルも同様で、ネイルを剥がす時に使うアセトンという成分が問題視されるようになってきました。
爪のオシャレを楽しむことは爪の負担ではなく、適切なお手入れができない時にトラブルになるということです。
では爪は何で出来ているのかと言いますと、
髪の毛と同様に死んだ角質層で成り立っているというのが定説です。
髪の毛も爪も体の機能を守るための一部ですので、剥がれ落ちることなく伸びていくように決まっています。
肌の角質層の場合はターンオーバーにより剥がれ落ちて、その下から新しい角質層が押し出されてきます。
このターンオーバーが乱れていると、潤いのある角質層が肌表面を覆うことが出来なくなり、乾燥したゴワゴワの角質層で覆われることになるのです。
爪も表面の角質層はどんどん死んで新しく生まれ変わっていきます。
どんどん生まれ変わっていくのであれば、巻き爪は今ある爪を切って新しい爪の時が伸びれば治るのではないかと思いますよね。
ここでひとつ問題なのは肌と違い、角質層が外的要因から爪を守るために内側へどんどん積み重なっていくという特性なのです。
巻き爪の爪の質が硬く分厚くなるのは、このようなメカニズムで起こっていると考えられます。
運動不足や、ケガ、水虫など何らかの原因で巻き爪になった後、その状態を体がSOSと判断して内側に角質層を蓄えるようになる悪循環が起こります。
また死んだ角質層は水分を維持することができないので、硬くて分厚い層が何層にも何層にも重なり、最終的には普通の爪切りでは切ることが困難になるほど酷い状態になることが多いのです。
爪を守る
一度巻き爪を発症すると自然には治りません。
専門機関での施術が最優先となります。
治療しながら気を付けたいのが、今ある爪とこれから新しく生まれてくる爪を健康で丈夫な爪にすることです。
そこで気を付けるポイントについてお話ししていきたいと思います。
① バランスの良い食事を心がける
爪も髪の毛と同様にタンパク質で出来ていると前述しましたが、その中でもタンパク質から変化したケラチンという成分が主な形成を担っています。
ケラチンさえあれば丈夫な爪になるわけではなく、ビタミン類やミネラル・亜鉛等の栄養素を必要とします。これらの栄養素をバランス良く摂取するために、食事を抜くなどの無理なダイエットをするのは厳禁です。
ただでさえタンパク質・ビタミン・ミネラルなどは、体の主要な機能である心臓や脳といった臓器で先に使用とされるので、末端の爪にも栄養を行き渡らせようとすると、より豊富な栄養を必要とするのは一目瞭然ですね。
② 洗い過ぎない
爪と指の間は清潔に保つことは必須ですが、爪自体が一日に何度も石鹸や洗剤にさらされると、手と同様に爪も乾燥します。
お風呂の掃除の時に、強い薬剤が足にかからないようお風呂スリッパを着用するのも回避方法のひとつです。
洗い物の時には手袋をする、天然由来の洗剤使うなど手と爪を保護しながら家事をするようにしましょう。
③ 過剰なネイルケアをしない
除光液やアセトンなどのリムーバーは爪の表面の油分や水分を落とし過ぎてしまいます。
それでもネイルを続けたいという方は、使用する間隔を開けるようにしましょう。
ジェルネイルを無理矢理剥がそうとすると爪の表面も一緒に剥がれてしまうので、不要な部分は少しずつ削るようにします。
また、除光液やアセトンなどの類は匂いも強く気化しやすいので、呼吸器にも悪影響を及ぼします。
十分に換気をしながら使用するように気をつけなければなりません。
④ 十分に保湿する
ハンドクリームやネイルオイルなどをこまめに使用し、潤いを保つようにしましょう。
最近では手や足のパックなどもありますので、フェイスパックなど日常の肌ケアと一緒に取り入れたいですね。
踵の角質にも足のパックは効果的ですので、爪のケアと一石二鳥になるのではないかと思います。
乾燥や外的ストレスを軽減して、健康で強い爪を育てましょう!
もし巻き爪になってしまったら
巻き爪には症状によって軽度から重度に分けられ、そのパターンも様々です。
少しでも痛みを感じるようになった時点で、病院や専門機関で受診することが悪化を食い止める最良の第一歩になります。それでもすぐに受診できない場合は、巻き爪ブロックやインソールなど市販のグッズで一時的に軽減させることもできます。
ただこれらのグッズを使っているから大丈夫と慢心せず、改善しながら再発しないように新しい爪が健康で丈夫なものになるように気を付けたいところです。
爪の角質層は乾燥するとターンオーバーが乱れ、未熟な角質層が押し出されてきます。
その繰り返しで巻き爪の形状のまま積み重なった爪は手入れが難しく、最悪の場合手術になることもあります。
その状態の爪はバリア機能が弱く、細菌等の侵入で爪水虫になる、化膿しやすくなるなど巻き爪の二次災害を引き起こすことになります。
巻き爪には早めに対処し、再発することのないようバランスの良い食生活・適度な運動・こまめな保湿などに気をつけて、足元から快適な生活を送れるようにしたいものです。
気になる方はHPをご覧ください。
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