巻き爪が化膿するとなぜ治りにくいのか
巻き爪には自分では気づかない程度の軽いものから、少し触るだけで激痛が走るような重いものまで、個人差があります。その巻き方も、片側だけのものや両側が巻いているもの、先に向かって細くなっているもの、ホッチキスのように平たく巻き込んでいるものなど様々です。
どの巻き爪も日常に差し支えが出ていなければ放置しておいて良いかと言えば、決してそうではありません。巻き爪の怖いところは、爪が皮膚に入り込み、そこに細菌が入って炎症や化膿を起こす可能性があるというところです。足の細菌が何らかの拍子に他の器官に影響を及ぼすこともあり、それをきっかけに重病になるかもしれません。
足が常に裸足の環境であれば消毒して乾燥させておけば治りも早いのですが、現代人の生活はそうはいきませんよね。1日の間長い時間を靴下やストッキングを履いた上に通気性の良くない靴を履いて過ごさなければなりません。この湿度の高い状態は細菌にとっては最も繁殖しやすい絶好の環境となり、巻き爪が1度化膿するとなかなか治りにくいのはこのためです。
もちろん、全ての巻き爪が必ず化膿するわけではありませんが、化膿してからだと長期戦になることが予想されるので、早めに対処しておくことが一番だと言えます。
先日、巻き爪の化膿に関するお悩み相談をいただきました。
【昔から巻き爪であることに気づいていましたが、爪の横の皮膚が今とんでもない状態です。消毒でなんとかなりますか?】
正直に言いますと、巻き爪は中学生ぐらいからなっていた記憶がありますが、何も困らなかったのでそのままにして過ごしてきました。
現在45歳で、サービス業をしています。
先日足に激痛が走り爪を見たところ、親指の内側の皮膚が赤く腫れ上がっていました。
よくわからず消毒をして絆創膏をして過ごしていましたところ、その腫れがどんどん大きくなり痛みも引きません。市販されている滅菌の塗り薬をつけて過ごしていますが、もう自分ではどうにもならないようです。
仕事柄安全靴を履かなければならないので、どうしても指を出しておくということはできません。しかし隣の人差し指と触れるだけでも激痛が走り耐えられません。
どのように治していけば良いですか?
ご質問ありがとうございます。
今回の質問者様の場合、巻き爪が炎症を起こし、化膿して肉芽になってしまったケースですね。
肉芽はジュクジュクした大きな吹き出物・・・のようなものだとイメージしてください。
そこからは膿が出続けて、かさぶたになることなく、肉芽を自分で完治させるのはほとんど無理だと思っておいた方が良いでしょう。というのも、ここまで悪化してしまうと、まずは皮膚と接触している爪を取り出して、飲み薬により菌の繁殖を抑えるのが最優先になるからです。
巻き爪に限らず、足の指の怪我は常に通気性が悪い環境にあるために治りが遅く、治癒力より細菌の繁殖力が上回ると塗り薬程度では症状がおさまらない恐れがあります。
他にも手のささくれから肉芽になったり、ピアスの穴が安定せずに肉芽になったりするケースもあるようです。
粉瘤ができやすい、膿みやすいなどはその時の体調にもよるところがあります。
年齢的に風邪が治りにくくなってきたと感じる場合、怪我の治りにくさも同じように感じませんか?
細胞分裂が活発な年代と、だんだん代謝の下がる年代では、ちょっとした怪我でも治るまでの道のりが違ってくるものです。
そしてそれは、小さな巻き爪一つとっても同じことが言えます。
化膿した時の対処法はあるの?
冷やす
巻き爪の周りが明らかにいつもと違うと感じた時は、まず流水で流しながら冷やします。
流水でというのもポイントの一つで、保冷剤などを使用することで患部に細菌が入る可能性があるため、できれば赤く腫れている部分だけを冷やしながら清潔にできるのが理想的です。
この時足全体を桶やボウルなどの氷水につけてしまうと、血行が悪くなり傷の治りそのものが遅くなりますし、桶やボウルの中で菌が蔓延することに繋がります。
消毒する
爪と皮膚の間に消毒をします。そして市販されている化膿止めを厚めに塗っておきます。
素手で患部を触ると菌が付着する危険性があるので、使い捨ての綿棒やパテ状のものを使用すると良いでしょう。
化膿止めを塗った後はなるべく患部を解放しておく方が良いのですが、やむを得ない場合はガーゼなどで保護して靴下やストッキングを着用します。
1日中つけっぱなしにしておくと清潔に保つことができず悪化しやすいので、何度も取り換えるように軟膏や消毒、ガーゼなどをセットにして持ち歩くと良いでしょう。
以上の応急処置は、あくまでもすぐに専門機関を受診することができない方がやむを得ずに行う方法として挙げられます。この方法をうまく活用しながら、なるべく早く専門機関に診てもらうようにしましょう。
また化膿しているときの巻き爪をどうしておくかという問題について、様々な考え方があるようです。まずは患部に当たらないように切ってしまうという考え方ですね。
これは化膿している皮膚と距離を取るという点から見るととても有効な方法に見えます。
しかし伸びてくる段階でまた皮膚にぶつかって炎症を起こすことが考えられるので、短く切るのであれば、化膿を治したらすぐにスカルプチュアネイルなどで爪の幅を出しておくと良いでしょう。
そうすることで、伸びて揃うまで爪の周りの皮膚が盛り上がってくるのを防ぐことができます。
他には、矯正しながら爪を伸ばすという方法です。こちらは化膿が完治していなければ処置できませんが、爪を切らずに矯正をして皮膚との隙間を作っていきます。陥入爪の場合は、爪がトゲのように皮膚に刺さっていることがありますので、そのトゲを取り出しておくことで、化膿の再発を予防することに繋がります。
専門機関によって肉芽の対処法は違う?
巻き爪から専門機関を受診する場合、大きく分けて整形外科と皮膚科という選択肢があります。
爪自体にタッチしなければ、内服薬の処方で終わり、化膿が完治したら爪の矯正をスタートすることを許可されるでしょう。
肉芽の治療に関して言うと現在は、炭酸ガスレーザーで焼き殺すか、液体窒素で肉芽になっている部分を凍結して壊死させるという方法があるようです。
内服薬と軟膏で良いのか、レーザーや液体窒素を取り入れた方が良いのか、傷の段階や専門機関での考え方にもよるところが大きいので、納得のいくまで説明を受けるようにしましょう。
不安な時は、待ち時間等を考慮した上でどちらの科も入っている総合病院を受診するのが安心ですね。
サキュレでの治療方法
整骨院サキュレでは、巻き爪の専門医によるカウンセリングから、爪のクリーニング、ケア、施術までの過程を、お客様お一人おひとりに合わせた内容で丁寧に行っております。
炎症や化膿などがない健康的な爪の状態で矯正が可能であると判断された場合、処置を進めていきます。
矯正方法としては、インベントプラスという特殊なチタンワイヤーを使用する特許を取得した技術を導入し、画期的な施術を提案しております。
チタンワイヤーを爪の両端に引っ掛けて浮き上がらせ、皮膚と接触しないような角度に調整します。
爪の中心で繋ぎ止めるワイヤー自体は、上からジェルネイルと同じ要領でコーティングし、外からは触れないようになりますので、靴下やストッキングを着用する時も邪魔になりませんし、チタンワイヤーの中にゴミが入る心配もありません。
この矯正方法は、今まで使用されてきたワイヤー矯正法よりも爪への負担を大幅に減らすことができ、1回の施術から目に見える効果を実感していただける内容となっております。
この方法を導入している専門機関が少ないことから、まだまだ一般的ではありませんが、巻き爪の矯正方法としてはこれから定着していくことが期待されている技術です。
インベントプラスにかかる所要時間は5分~10分程度です。また、ワイヤーを装着した爪が先端に伸びてくるまで1~2ヵ月は継続して装着していられますので、毎日取り換えなければならない手間もありません。
インベントプラスに使う特殊なチタンは磁気を帯びない性質を持っているので、手術を控えた年配の方や体調に不安のある妊婦さんでも安心してご利用いただけます。
サキュレで施術をした人の感想
どんな巻き爪でも矯正できます。と言われるより、まずは1日も早く肉芽を治してくださいと言われたことにことの重大さを初めて痛感しました。
最近の絆創膏のイメージで、半透明のハイドロコロイド絆創膏で乾燥させない方が良いのだろうと思い込んでいましたが、「傷口を清潔に保った上で」という大事な条件を見落としていて、結果的に湿潤な絆創膏の中で細菌が繁殖しやすい状態を作ってしまっていたことがわかり、身をもって勉強になりました。
肉芽自体は1週間ほどで見た目もみるみる良くなり、矯正に入ることができました。
今回はどうやら巻き爪から、爪の端の尖った部分が皮膚に刺さって小さな傷となり炎症を起こしたようなので、これからは爪と皮膚の間を自分でも清潔に保てるように、きちんと手入れをしていきたいと思います。
仕事がなかなか休めないからこそ、どんな体調の変化も早めに対処しておけば治療にかける時間も少なくて済みます。
遺伝なのか2人の子供たちも巻き爪気味なので、一緒に相談しておこうと思っています。
色々と教えていただきありがとうございました。
嬉しい感想をお寄せいただき、誠にありがとうございます。
ハイドロコロイド絆創膏を使うタイミングについては、かなり素人判断では難しいもので、膿が出ている時は吸い取るガーゼ素材の方が、治りが早いこともあります。顔や腕、足など外に出ている場所の怪我では有効な湿潤療法でも、足の爪と皮膚の間には適さないことがあるというわけです。
普通の絆創膏よりも高価ですし、取り換えずにつけっぱなしが良いらしいと聞くと、傷口が清潔かどうかもわからずに貼ったままにして悪化することもあります。
確かに治りかけの時に傷口から出る組織液は自然治癒において必要なものですが、それが膿みと見分けがついているか自信が無い方も多いのではないでしょうか。
今回の質問者様のように異変を感じたら早めに専門機関を受診するのが何よりも先決です。
民間療法で完治したという話も無くはないのですが、悪化してしまったら爪だけでなく足や体全体への影響も計り知れません。そして悪化してしまったら巻き爪の矯正はどんどん遠のいて、結果的に治療に何年もかかるという最悪の結果を生むことになるのです。
かなり痛い!化膿した巻き爪の治し方 まとめ
今回は巻き爪から化膿を起こし、さらに肉芽になってしまったお話から巻き爪の怖さがおわかりいただけたのではないかと思います。
実際にこれほどまでに悪化したことのない方でないとわからない、巻き爪と化膿。
もしいつもと違うことに気が付いたら、まずは患部を清潔に洗い、冷やすようにします。
足全体を冷やしてしまうと血流が阻害されて治りが遅くなるので、患部だけを冷やすようにしましょう。火傷を起こしている時のようなイメージですね。
そして傷口に素手で触れないように消毒をします。そして市販されている化膿止めも効果を期待できます。その後できれば何も覆わずに裸足で過ごせると良いのですが、仕事で靴下やストッキングを履かなければならない時は、清潔なガーゼで覆います。
1日に2~3回取り換えなければなりませんので、替えのガーゼやテープ、消毒や軟膏も持ち歩くようにしましょう。
ここで忘れないでいただきたいのは、この応急処置で化膿が抑えられたとしても巻き爪には一切対処できていないという点です。
もともとの原因である巻き爪が改善されていない以上、また何かのタイミングで傷になり、炎症を起こし化膿して肉芽になるというのを繰り返すことになります。
この悪循環を根本的に解決しておくために、化膿がおさまったら巻き爪を矯正して再発を防ぐ手立てを考えていきましょう。
サキュレではインベントプラスによる巻き爪の矯正と、全身の整体を行っています。
手術という方法ではなく、日常生活を送りながら巻き爪を改善していくこともできます。
また巻き爪とは関係ないかと思われるようなことが原因になっていることがありますので、気になる症状のある方はお気軽にご相談くださいね。
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